オタクの行動にマーケティングの基本が潜んでいる
昨日ハードディスクに録画していた「電車男スペシャル」
を見た。
やっぱエルメスさんは、中谷美紀よりも伊藤美咲の方が
よいな。個人の好みにもよるとは思うが。
うちの会社も、2000年まで “オタク” をターゲットに
したいわゆる “ギャルゲー” を販売していた。
今の会社には’98年に来たのだが、最初の仕事がその営業担当。
個人的にゲームは好きだった(普通のゲームです(^.^;)ので最初は
喜んでいたのだが、これを仕事にしてみると大変。
とにかく “オタク” たちのパワーがスゴイ。
ゲーショーやコミケに出展すると、アブ君のまなざしでブースに押し
寄せる。
一番マイったのは、うちのゲームのキャラの声優のファンレポートを
数十枚に渡って書いてきて、延々と熱く語る “オタク” につかまった
とき。
あれはほんとキツかったよ。前職で名だたる企業を相手に営業をして
いた自分にとって、あまりのギャップにゲンナリしまくり。
体重も6~7Kg減ったのを覚えている。
◆左:ゲーショーでも“オタク”パワーは凄い ◆右:コスプレをしていただいたコンパニオンさんを前に カメラ小僧たちはピラニアのよう |
でもここで負けては男がスタると思い奮起。
どんな市場でも必ずビジネスチャンスは転がっている。
“オタク” たちを相手に思いっきり売上をあげてやる!
これを自分の中のモチベーションにした。
で、思い出に残っているのは次の2つ。
1つ目は、お盆と年末の年二回東京ビッグサイトで実施される、
コミックマーケット(コミケ)。
このコミケはもともと、 “オタク” たちが作った同人誌を販売することから
始まった手作りのイベント。それが年々大きくなり、総来場者数40万人
を誇る、事実上日本最大のイベントに発展した。
中庭では、コスプレをしてきた子とカメラ小僧たちの撮影会が展開されて
いる。スゴい数。 “オタクパワーおそるべし...”
人が集まるところには、企業も集まる。
90年台の終わりからは、企業ブースもできた。
アニメ系の“オタク” たちは、コスプレとレアものグッズに弱い。
そこで、ゲームショーで担当してもらったコスプレ好きのコンパニオンさん
に個別にお願いして、またまたうちのキャラのコスプレをしてもらい集客。
そして30個限定で “あなたも○○○ちゃんになれる!” グッズを
つくり、売れなかったらどうしよう...と心配しつつも、1個3万円で販売
した。
するとなんと、“初日のAM中で売れてしまった!”
“またまたオタクパワーおそるべし...”
調子に乗ってしまった僕は、目玉商品が無くなった状況で、展示物(レア
もの)のオークションを思いついてしまった。拡声器で呼びかけると
“オタク” たちが集まってきた。大成功!
でも後で事務局に怒られ、これら2つを禁止事項にしてしまうことになる。
ちょっとした苦い思い出も付け加えておこう。
2つ目は、ゲームの発売日にアキバのソフマップ本店前で行った、
“レアモノグッズが当たる!ガラガラくじ大会”。
主人公キャラ○○○ちゃんの等身大立て看板や声優さんのサイン入り
ポスターパウチなどを目玉景品にして、1ヶ月前から店頭で宣伝をして
もらった。
発売当日、ガラガラくじ会場を設置しようと車で向かうと、2時間も前だと
いうのにすでに長蛇の列がーーーっ!その数300人以上!!
メッセサンオーよりもはるか向こうまで並んでいる。
しかも、ゲーム1枚購入につき抽選券1回としたら、4枚買っているヤツが
何人もいた。
このガラガラくじ大会効果で、アキバのソフマップの店頭在庫は1日で
すべて売り切れた。してやったり(^_^)v
◆左:店頭での積極的な告知が功を奏して(→中へ) ◆右:300人以上の長蛇の列が |
“オタク” たちは財布のヒモが固いが、心理を理解しその心をくすぐるもの
を用意することで、惜しみなく大金をはたく。
でもこれは実はオタクに限ったことではなく、お客様のニーズを把握し、
それにミートするものを提案するのは基本だ。
この “オタク” の世界ではそれが顕著に表れるだけだ。
“マーケティング” という言葉を前にして、データや分析がどうのこうの
とか、そこから入ってくる頭でっかちな人たちが自分の周りにもいっぱい
いるが、大抵ズレたことをやっているのが現状だ。
“マーケティング” の目的を分かっていないからだと思う。
僕は “マーケティング” をもっと単純なものとして考えている。
“売るために、また買ってもらうためには何が必要か?
を考えて、それを実現するために行動すること。”
この一言につきると思うのだが。
色んなマーケティング手法は、これを確度高くそして効率よく実行する
ためにあるに過ぎないのではないかな。
以上を念頭に置いておけば、ズレた発言や行動をすることは無くなると
思う。
僕はこのゲームの仕事および “オタク” の人たちを通じて、この
“マーケティングの基本” を学んだような気がする。
“オタク” たちに感謝。
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